零度の華 Ⅱ




『雲雀はあたしを殺そうとした。正当防衛だ』


「違う!雲雀がそんなことするはずがない!だって、雲雀は貴女が、羽空ちゃんが好きだったんだから!!それに組織まで潰すなんて......」





沙也加の言葉に続けるようにして、テレビの司会者が異常者だと罵る



沙也加から聞かされた、雲雀はあたしのことを好きだったというフレーズに、再び頭の中で雲雀の言葉共が響く




吐き気を覚えながらも沙也加に事実を教える




『最初に企んだのはあっちだ。何も知らず、逃げているお前に嘘だと言われる筋合いはねぇぞ』


「...っ!それでも、許せない。私から2人も家族を奪うなんて。返してよ!!雲雀を、お父さんを返してよ!!」





泣きながら返せと叫ぶ


死んだ者は生き返らない


小学生でも分かることだ




『返すことはできないが、会うことはできるんじゃねぇか?』


「え!?」



間抜けな声が聞こえる


あたしは声色を変えて話した