零度の華 Ⅱ





しかし、BGMとして流れるテレビの声は一向に話題を変えることがない


テレビに視線を向け、眉を顰めてしると電話がかかってきた


電話の相手になんの感情も抱くことなく電話に応じる




『もしもし』


「どういうこと!!」





いきなり耳元で叫ばないでほしい

鼓膜が破れたらどうしてくれるんだ



あたしはソファーから腰を上げて亜紀から遠ざかる


そして、遠ざかった所から目はテレビへと向けていた




『そのままだ。お前もテレビ見たんだろ?』


「何故、殺したの?どうして雲雀を......。私のおと、うと...を...」




電話の相手は沙也加

雲雀の姉だ




電話の向こうですすり泣く声が聞こえる



血の繋がったたった1人の弟の為に泣けるか

いや、家族だからこそ泣くのか?



そこら辺は分からん