零度の華 Ⅱ






だが、あたしは今まで組織にいても他の奴よりかは自由だった


勿論、制限されていなかったわけでもなければ、縛られ過ぎたというわけでもない




『あたしは自分が自由じゃなかったとは思っていない。だから、これからも今まで通りにやるように殺るだけだ。それが不服なら、今ここでお前を殺るだけだ』



亜紀に小刀をチラつかせる





「いいのですか?私を殺ると影武者はいなくなり、駒も減りますよ」


『探せばいいだけのこと。前にも言っただろ?あたしには沢山の"お友達"がいるとな』




お友達というところを強調させて言う


実際、そんな関係ではないことを亜紀は分かっている




亜紀は両手を挙げ、参ったと言わんばかりに笑う




「零(ゼロ)には敵いません。私はあなたの駒になった時から、あなたについていくと決めてましたから従うまでです」


『お前も変わり者だな』


「そうですね」




さっきまでのピリピリした空気はなくなり、普段と変わらない空気と変わる