画面の向こう側でゲストに呼ばれている評論家が語っていた
「これからどうするのですか?」
亜紀の目線はテレビの方から動くことがない
でも、それは確実にあたしに向けられた言葉だと思い答える
『さぁ、な。いつも通り仕事をするだけだ』
テレビから流れる声はただのBGMにしか聞こえない
「いつも通り、ですか」
『何か言いたそうだな』
亜紀はテレビからあたしへと視線を移した
「今のあなたは誰かに縛られることなく自由なんです。いつも通りでいいのですか?」
亜紀があたしに何を望んでいるのか分からないが、言いたいことは分かる
組織から解放された今、何も制限されることはなくなった
繋ぐ鎖は消えたということだ
だから、もっと自由に殺れる
誰も何も口出す者はいない
要は暴れることができると言いたいんだろう



