零度の華 Ⅱ



画面の向こう側でゲストに呼ばれている評論家が語っていた



「これからどうするのですか?」




亜紀の目線はテレビの方から動くことがない


でも、それは確実にあたしに向けられた言葉だと思い答える




『さぁ、な。いつも通り仕事をするだけだ』




テレビから流れる声はただのBGMにしか聞こえない




「いつも通り、ですか」


『何か言いたそうだな』



亜紀はテレビからあたしへと視線を移した




「今のあなたは誰かに縛られることなく自由なんです。いつも通りでいいのですか?」




亜紀があたしに何を望んでいるのか分からないが、言いたいことは分かる



組織から解放された今、何も制限されることはなくなった


繋ぐ鎖は消えたということだ



だから、もっと自由に殺れる





誰も何も口出す者はいない


要は暴れることができると言いたいんだろう