零度の華 Ⅱ




「他に買う物はありますか?」




亜紀は話題を変えて話しかける




『いや、もういい。今必要なのは揃った』


「服だけしか買ってませんが、いいんですか?」


『十分だ。付き合わせてすまない』


「いえ、私のことはお気遣いなく」





フードコートでの昼食を終え、あたし達は車へと乗り込む



ふと、昼食代を払い忘れていたため千円札を渡すと、いらないと言われた


自分が勝手にしたことだから気にするな、と


手元に戻ってきた千円札は再び財布の中へ戻る




家に帰ってくると、服を寝室にあるクローゼットへとしまう




リビングに行くと亜紀がテレビをつけていた


その番組は零(ゼロ)に関することを取り上げていた




『もう、聞き飽きたんじゃないのか?』


「あ、整理は終わりましたか」




あたしの言葉をスルーし、自分の隣に促してきたので促されるがまま隣に座る