零度の華 Ⅱ




歩いているだけなのに、色々な奴に見られる


あたし達とすれ違う人は、顔が見えなくなるまでずっと見てくる




原因は隣にいる亜紀だ


イケメンのせいで女の目を引くので注目される




『亜紀のせいで歩きづらい』


「私のせいですか?羽空も十分に目立ってますよ」


『女の嫉妬の視線がイタイ』


「私には男の羨望の視線がイタイです」




言い返してくる亜紀を見ると「お互い様ですね」と言って片付けた


それ以上、何かを話す気にもなれず無言で歩き女性服の売っている店に入る




適当にアイテムを見るだけで、何も考えない



自分で選ぶのは面倒だと思ったあたしは、店員に全身コーディネートを頼んだ





「ご予算はどれくらいですか?」


『特にないです』


「分かりました。では少々お待ちください」




店員は服を選びに行く


それと同時に、亜紀があたしの隣に来る