『殺せる隙はいくらでもあった。雲雀ならあたしを殺るなんて容易いだろ』
「狼の言葉を借りるなら、"それじゃ面白くない"だな」
面白くない......か
目の前で3人の部下が死に、下の階では大量な死体が転がっている
裏の世界に向かない、コイツの心があたしに黙っているはずがない
なのに、どうしてコイツは冷静でいやがる
いつもの雲雀ではないことに腹立たしい
雲雀に悟らぬよう、平然を装う
『もっと、面白い何かがあるのか』
「特に用意していない」
あたし達の間に沈黙が生まれる
怖いくらい静かな空間に男と女が向き合って立ている
傍から見たら異様な光景だ
『......はぁ。どういうつもりだ』
1分程の沈黙を先に破ったのはあたしの方
「どういうつもりとは?」
『とぼけるな。お前、あたしを殺す気あんのか?』
ずっと引っかかっていたんだ



