零度の華 Ⅱ



『お前があたしを殺さなくても、あたしはお前を殺す。お前は自分の身を守るために、武器を握らないのか』


「もう、そんな必要はありません。それに、貴女になら、零(ゼロ)になら殺されてもいいです」




下唇を強く噛みしめる

まるで、苦虫を噛み潰したようだ


死に際に、こんな台詞を吐かれると胸糞悪い




もっと抵抗しろ

あたしに傷を負わせてみろ

恐怖で怯えながらもあたしに牙を剥いて来いよ!



何故、アッサリ負けを認めてしまう

何故、あたしなら殺されて構わない?



自分でも良く分からない感情が渦を巻く




こんな感情初めてで、どうしていいのか分からなくなる




あたしは百合(リリー)、鯱(オーカ)同様に刺殺した



どうしようもない荒ぶった感情を毒蛇(ヴァイパー)の死をもとに、無理矢理落ち着かせる






ゆっくりと雲雀の方に体ごと向けた