零度の華 Ⅱ



「私は貴女が分からないです」


『分からなくていい。理解しようとしなくていい』




毒蛇(ヴァイパー)からストンと銃が落とされる




「零(ゼロ)、貴女は狂ってます」


『だろうな』


「それは私も同じです。真面ではありません。それでも、貴女のやっていることは許せません」


『......』



「許せないのに、殺すことが出来ないんです。犯罪に手を染めていながらも、人だけは殺したくないんです」


『矛盾してんな』




悲痛な声ながらも、どこか自嘲しているように聞こえる言葉



そういえば、毒蛇(ヴァイパー)が情報部として入ったのは"人を殺すのは気が引ける"からだったな



裏の世界に身を染めている以上、人を殺すのはオマケで付いてくる




そうしなければ生きていけない

そんな場所だ、ここは