「ごめん。急に開けちゃって。俺のこと覚えてる?」
そう聞くと、彼女は黙って頷く。
「それなら良かった。あの草原の絵って、あの日俺が弾いてたピアノだよな」
また彼女が頷く。
「俺、あの時君が描いた絵が頭の中に浮かんでたんだ。」
彼女に俺がいつもピアノを弾いている時に世界を描いていること。あの日、あの絵とそっくりな世界だったこと。
今までの経緯をすべて話した。
急に話し始めた俺に、彼女は戸惑っていた。
「あ…ごめん。こんなこと無かったから感動しちゃって。」
何ひとりで舞い上がってんだ…俺。
急に恥ずかしくなってきて、彼女から視線を逸らす。
