たまらなくなって、俺は美術室の扉を開ける。『美術室の天使』に会いたくて。
でも、誰もいない。前みたいに外で描いてるのか…
「なにやってんだ…っておい!どこ行くんだよ!」
翔を無視して走り出す。
校舎裏、グラウンド脇、ピアノの部屋の前、中庭、保健室。
どこを探しても見当たらない。
「…どこだよ。」
暴れまくる息を深呼吸で整える。綺麗な空気を吸って少し上を見た時
屋上に人影が見えた。
よく目を凝らしてみてみると、あの髪色。彼女だ。
気づけばもう走り出していた。
『バン!』
扉を開けると、驚いたように振り向く彼女。
あぁ、やっぱり彼女だ。
喜びで顔がほころぶ。そんな俺を不思議そうに見つめている。
