「やっぱり、リーダーは年下が好み?」


「ん~どうだろうね。」



唐突に質問してきた、宇野ちゃんこと宇野実彩子の言葉に

少し戸惑いながらも答える。


「真次郎は年上そう・・・」


「あんまそんなこと考えたことないねん」


片っ端から男メンに聞いていく女子メンの二人。



(言えないなぁ・・・







                           年上の人に恋してるとか

はじめましては、朝の駅だった。


『わっわわわわっ!!』

朝で人が多い中、小銭を落とした小柄な女性。


ボブの髪に着せられてる感が半端ないスーツ。


第一印象は、小動物、そう、リスみたいない人。



『大丈夫ですか?』

まだ時間に空きがあった俺は、まだ名も知らない彼女の、小銭拾いを手伝うことにした。



『あっ、ありがとうございます!!』


(本当にリスみたいだ。)



『本当、ありがとうございました!!』


『それより、時間大丈夫なんですか??』


見るからに会社員の彼女は、小銭を拾うことに苦戦して、

かなり遅刻しそうな時間になっている。


『ああっっ  っもういいです! あきらめましたっ


 それで、お礼と言ってはなんですがこれ、もらってください!』


と言って差し出されたのは、一枚のクーポン券のようなものだった。


『これ、私の会社の近くにあるカフェのクーポン券なんですけど、
 
 よかたら使ってください!』


『あ、ありがとうございます・・・』


『いえいえ、こっちのほうです。


 忙しい時間帯なので、誰も助けてくれないと思っていたので』


『会社、こっちのほうなんですか?

 僕もなんですよ』


『へぇ、そうなんですか・・・///』


『・・・どうしました?』


『いえ・・・////』



『あっ、会社ここです!

 本当にありがとうございました!!』


『はい、お仕事がんばってください。 もうお金、落とさないようにね』ニコッ


『では!!』 パタパタッ


( /// かっこいい人だったなぁ・・・


  あれ、でもあっちの方向って、芸能事務所しかなかった気が・・・)





_____次休日_______


カランカランッ

(ここか・・・)


彼女にもらったクーポン券を持って会社の近くにあるカフェに来た俺。


(これ真司郎好きそうだな・・・)

メンバーの好きそうなメニューをみて微笑んでしまう。


やっぱ仕事人間なのかなぁ



『あ、あの、やめてください!!』

『い~じゃ~ん♪ 今から暇でしょ?』

『は、離れてください!』


店内で一際目立つ声


(うるさいなぁ・・・)


小柄な女性と二人の男がその声の発端だ。


俗にいう、ナンパというやつだ


めんどくさいこともあり、関わらないように尽くすだけだ。


『ねーい~じゃ~ん』

『本当に、やめてください!』


(・・・あれ、あの人って・・・)




『なぁ、そろそろうるせぇんだけど』



『あ゛あ゛ん゛??』

『なんだよ、ヒーロー気取り? うぜーww』

『って、おいこの人って・・・』

『え、まじ??』

『お、俺、めっちゃファンっす!』


『え?あ、ありがとうございます』


『え、俺ら超ハズくね?』

『これからも応援してます! 頑張ってください!』


バタバタと出ていくナンパ男


『あ、あの、ありがとうございます!」


『あの~覚えてませんか? 先日駅で・・・』


『あ、ああ! その節は本当にありがとうございました!』


『いつも、このカフェ来てるんですか?』


『あ、はい! カフェ巡りが趣味なので』


ふわり、と笑う彼女暖かい日差しのような春の桜のようなそんな笑顔だった。

あ、今の歌詞にできそう


『あ、申し遅れました私、

 空野 桜っていいます。』


『あ、えっと僕、

 浦田 直也です。』


『すいません、間違えてたらごめんなさい。

 なにか、芸能関係のお仕事されているんですか?』


『あ、はい。 AAAってグループのリーダーしてます(笑)』


『え、AAAですか? すごい! 会社の後輩がライブ行ったって言ってました!』


『ホントですか? ありがとうございます!』


『浦田さんはこうゆうとこよく来るんですか?』


『あ、僕散歩するのが好きなので』


『あ、この前いい感じのカフェ見つけたんですけど、一人じゃ入る気がしなくて・・・ お仕事あいているときでいいので、一緒に行きませんか?』


『あーいいですね! 連絡先交換しときます?』


『え、いいんですか? よろしくおねがいします!』


『すいません、年聞いてもいいですか?』


『あ、はい今年31になります。』


『え、ええ!と、年下・・・』


『え、そうなんですか?!』


『私、今年で33になります・・・

 でも、早生まれなので結構子供っぽいとこありますかね』


『ははっ めっちゃ若く見えますよ』


『ありがとうございます!』



________時間飛びます(回想⇒現実)________



ス「AAAのみなさん、おねがいしまーす!」


AAA「おねがいしまーす」


「あ、日高? 今日夜空いてる?」

日「今日?んーと、空いてるけど・・・」


「じゃさ、ご飯いかね?」


日「おっけぇ! 直也君ととか久しぶりじゃね?」


「だな(笑)」



日「で? なにがあったん??」


「やっぱり女性って年上が好きなんかな?』


日「なになに。恋煩い?(笑)」


「いや、自分でもびっくりだよ(笑)」


日「へぇー どんな人?」


「んーリスみたいな?」