路地裏ロマンチカ








蝉の鳴き声も少し弱まってきた8月の終わり。

今日で夏休みも終わりだ。


特に予定がない私は、14時をまわってもベッドの上でうとうとしていた。



瞼がどんどん重くなって
また夢の中に落ちていこうとした、

その時、




「みーうー!!!」


バカでかい声とともに、隣の部屋に住むひとつ上の幼馴染が部屋に入ってきた。




「…優ちゃんうるさい」


「でも目、覚めたやろ」


お陰さまで。

機嫌は最悪やけど。



「ってゆうか、なんで勝手に入ってきてるん…」


「お菓子のお裾分けしにきたんやけど、美雨ママがついでに起こしてきてって」


お母さんめ。
ついでにってなんなんですか。ついでにって。



「お前いつまでごろごろしてんねん!最終日ぐらい出掛けよや!」


「えー嫌やあ…」



そばにあったしろくまの抱き枕を抱いて、優ちゃんに背を向ける。

でもそれはすぐ優ちゃんによって奪い取られた。


「ほらはよ行くで!」

「…行くってどこに」

「映画館!」

「優ちゃん別に映画好きちゃうやん…」

「だって映画の無料券2枚もらってんもん」

「誰に」

「美雨ママ」




………お母さんめ…。