次に目を開けたとき、外はもう暗くなっていた。
ぼんやりとする意識のなか、台所のほうから聞こえる油の跳ねる音がそろそろ夕飯だということを知らせる。
そういやお母さんが今日の晩ごはんは唐揚げとか言ってたような気がする。
私はそばに置いたままのスマホに手を伸ばした。
時刻は19時をまわったところ。
4時間ほど眠っていたらしい。
時間を確認したらすぐに閉じるつもりだったけど、
画面上部にメッセージアプリのマークがついていることに気付いてしまった。
流れ作業のようにアプリを開くと、複数の人からのメッセージが溜まっている。
そのなかにちゃんと樹生からのメッセージもあった。
【ゆっくり休めよ】
淡白な文面ではあるけど、余計なことを言わないのも樹生の優しさだということはよくわかっている。
こうなるのも最初からわかっていたはずなのに、
私は嘘をついてしまったことを早くも後悔した。
結局、私は樹生に何も言えないまま、
さよならをしてしまった。

