『いじめられ』る人【短篇】


──きっかけ。


もともと私を向こう側へ追いやった連中も、私と一緒になって笑っていた。

一緒になって……


「面白いもん見つけたじゃん」

「ナイスだよ、これ あははっ」


うっすらと引かれかけていた彼女の境界線。それを私は明確にしただけだ。


いじめの中心だった奴らも、その他大勢も、もはや立ち位置をはっきりと決めている。


私が立つ、こちら側へ─―