暑い。 教室の窓からウザったらしいほどに のぞき込む日差しと体を包み込む 生暖かい風が僕のイライラを掻き立てる。 授業の終わりを告げるチャイムが 鳴るとと同時に 僕は乱暴に教科書を閉じた。 「どうしたの?めずらしく不機嫌じゃん」 隣の席の高倉桜(たかくら さくら)が 僕の顔を覗き込んでくる。 黒髪のショートカットの 綺麗な顔立ちをした彼女は 不安そうな顔をして 僕を見つめてくる。