お酒を飲みすぎて二日酔いしてしまったアホな私だけど、時間が経つにつれて気持ちも落ち着いて来た。
 あの男とはもう、別れてもイイやと思うようになったのだ。
 世の中、男の数も少なくないのだから、探せばイイだけの話しだし。

 でもイザ、始めるぜーっと思ったら何だか心に隙間が開いたような寂しい思いになってしまう自分に私は気付いた。
 女のコって失恋したり、恋に悩んだりしても時間が経てばケロッと忘れてしまう生き物なのだ。

 なのに私ったら、拓也への未練が捨て切れないでいる。
 証明書類用サイズの小さな写真(拓也からもらった余り物のヤツ)をブラの間にはさんだり、お尻に密着させたりして(変態じゃん)寂しさをまぎらしているのだ。
 女性向けの雑誌とからネットを見たり、読んだりしているうちに私の気持ちが固まって来た。

「なーんとか拓也を、私のモノに出来ないかにゃー」

 ライバル的存在の友人から、彼氏を強奪したって言うOLの体験談記事を読みながら、私はそう独り言を口にした。