誰よりもそばに

次の言葉を聞いて言葉を失った。

「どうゆう、こと?」

小学6年生だった私は頭をフル回転にして
考えたけど、わからなくて。

「家、出るんだ。行きたい大学遠くて。」

翔ちゃん、いなくなるの?

「やだ‼じゃあ私、翔ちゃんと一緒に行く‼」

混乱する私を翔ちゃんはふわりと抱きしめてくれた。

「結愛?きっとまた会えるから。待ってて?」

いつの間にか私は泣いていた。

「待って、るから。翔、ちゃんだい、すき。」

涙混じりの声で精一杯の気持ちを届けた。

「ありがとう。またね結愛。」

翔ちゃんは抱きしめる腕をほどいて、
うちを出ていった。