誰よりもそばに

この日から翔ちゃんは私のヒーローだった

私より6つ上の翔ちゃん
毎年バレンタインにはチョコレートをあげて
夏には花火大会に一緒に行った。

けれど、翔ちゃんが中学3年生、
私が小学生3年生の夏。

「しょーおーちゃん‼お祭り行…」

翔ちゃんは女の子といた。
くりくりした目に髪のふわふわした子。

「ん?結愛。今年は一緒行けないんだ、ごめんね。」

「そっ、か。」


このとき、初めて気付いた。