「さっき美海がいじめに
 クラス全員が参加したって
 言った時、
 俯いた人はどうな訳?
 反抗しなかったのは?
 一体、何だった訳?」


しーんとしているこの教室だけど
1人だけ気味悪く笑っていた人が。


「何、愛美?」


「あたし馬鹿みたいだよ。
 あんたみたいなの好きになるんじゃ
 なかったね。
 馬鹿馬鹿しい人。
 有馬、揃って馬鹿じゃん。」


「は?訳わかんねぇ…。」


…意味不明…と、翼は
顔をしかめる。


「でももうあんたなんて
 好きじゃないんだから!」


「…知らねーよ、んなこと…。」


勝手に言われたって困るだけ、と
翼は心の中で呆れる。


「調子に乗んないでよ!

 あ、あたしだってね、
 好きでこんなに可愛く産まれて
 来たわけじゃないんだから!」


「…?」


「もう、有馬なんて2人とも
 死んじゃえば良いのに!」


愛美がキレたようにそう言って、
出て行った。


慌てて、取り巻き、田邨達3人が
あとを追う。


くだらない、人間たちは、
まだ答えを見つけだすことが出来ない───


第7章:おわり