「…なんだ、
 全然間に合ってないじゃない。」



1人で呟き、
先生に頭を下げた。



「ごめんなさい、遅れて…。」



あとは息が切れていて
言葉にならない。



「はぁー…有馬さんたち
 最初の授業から遅刻ですか!
 仲良いのも良いけど、
 もうちょっと
 注意しなさいねぇ。」



…冗談じゃない…。
確かに有馬揃って遅刻だけど…
あまり仲良いなんて言わないでくれない…?!



「先生! めちゃくちゃな事
 言わないでください。」



だから、椅子に座りながら訴えた。



「ほんとほんと。
 マジで作り話はやめて下さいよ!」



翼も頬を膨らまして言った。



「だって。
 面白いじゃないですか…?
 有馬さんが2人とも
 遅れてきてしかも同じ時間に。」



「面白がらないで下さ…え…?」



バラバラ…
音を立てて落ちた。



その落ちたものを見た瞬間、あたしの何かも、
心の中で音を立てて崩れ落ちた───…。