お互いにお風呂を済ませて、私はいつものものを作るためにキッチンに立った。
たまに友達が泊まりに来た時なんかはその子の分も作ったりしていたのだが、彼はどうだろうか?


「亘理さんって甘い飲み物は好きですか?」

「甘いものですか。飲み物も食べ物もだいたいいけます」

「じゃあミルクティー飲みません?」

牛乳と紅茶のティーパックを彼に見えるようにすると、興味が出たのかこちらへ近づいてきた。
そして、やや驚いたようにコンロの上に置かれた小鍋を眺める。

「もしかして、手作りのミルクティー?」

「はい、そうです」

「飲みたいです」

「じゃあ作りますね」

いわゆるロイヤルミルクティーというやつなのだが、少し手間はかかるけれど夜寝る前に必ずこれを作って飲むのが日課なのだ。
カフェインレスの紅茶を使っているので睡眠に支障は出ないし、身体も温まるのでちょうどいいのだ。
心地よい眠りにつける。

コトコト小鍋で作っている私のそばを、亘理さんは離れない。
作り方を知りたいのか、さっきからキッチンをウロウロしている。

「カフェに来たみたいですね」

「味は保証しますよ。ちなみに朝はココアを飲んでから出勤してます」

「ココアもいいですね、大好きです」

すっかり彼も飲む気満々のようで、なんだかおかしくて笑ってしまった。