あともう少ししたら、公ちゃんも文香たちも戻ってきてしまう。
そろそろ来栖くんとのお忍びタイムも終わりらしい。
「あたしも来栖くんの周りにいるから見つけてね?」
「見えるか、バカ」
「またつれないこと言って!実はいつも見えてたりし、でっ」
近くでバタバタと暴れていた幼稚園児が背中にぶつかり、バランスを崩した体が前に倒れた。
やばっ、転ける…!
「やま…」
来栖くんがあたしを受け止めようと手を伸ばす。
その胸の中へ、全てを捧げるように、あたしはぎゅっと瞼を閉じた。
ゴチンとおでこに鈍い衝撃が走った直後。
柔らかい感触が唇に触れる。
「……………」
「……………」
温もりのある、柔らかいものが。

