校外学習という名の高校生たちの遠足。
行先は隣町にある水族館。


夜もなかなか寝つけなかったから、来栖くんとどうすれば一緒に水族館を回ってお昼ご飯を食べようか、色んなプランを立ててきたけれど。


昼食後も、王子様と話せるタイミングは見つからず。



「はぁ…公ちゃぁあん」



たまたま1人でペンギンコーナーにいた公ちゃんを見つけ、すぐさま駆け寄った。



「あれ、来栖のところは?」


「もう午後なのにだよ!?それなのに来栖くんと2人きりになれるどころか会話すら成り立ってないし!あたしの声を文香たちが邪魔するし!」


「そうだったの?」


「だからしばらく作戦を練ることにしたの」


「またそんな…」


「公ちゃんは?彼氏と一緒じゃないの?」


「向こうにも友達がいるし、クラスも別だから今日はいいの。1人だと自由に好きなところ見れるし」



なんて謙虚な彼女なの公ちゃん!

こんな日くらい恋人同士は仲睦まじくしてても誰にも責められないのに、健気すぎるよ!
いつもの冷めた公ちゃんも可愛いく思えたよ!



「じゃあ今からあたしとクラゲ見に行こ!」


「来栖はいいの?」


「一時休戦!」



このままあの集団に付き添ってても望むような進展はないだろうし、気分転換も計画のうち!