それは見事に的中し、悪魔様は降臨した。



「俺のためにやってくれるよな?」


「それはちょっと…」


「お前が俺に対してする返事は一つだけだろ?」


「………ハイ」


「わかったら、さっさと座れ」


「ハイ」



言われるがまま、椅子に座らされる。
周りを見渡せばそこは本棚だらけで、初めて自分のいる場所が図書室だと把握した。


完全に来栖くんとあたしは王様とその奴隷。
今からあたしは何を命令されるんだろう。



「この資料をまとめてホッチキスで止めたあと、そっちの名簿と照らし合わせて間違いがないか全部確認できたら終わり…、わかった?」



手慣れた様子で作業する来栖くんに唖然とする。



「でもこれって、先生の仕事じゃないの?」


「周りと違って俺は信頼されてるから、よく面倒な仕事を押しつけられんだよ」


「いやいや断ればいいじゃん!」


「は?信頼を落としたら成績に響くだろ」


「なんで来栖くんはそんなに成績気にしてるの?」


「………他人の事情に首突っ込んでる暇があるなら手を動かせ」



なによなによ!

それぐらい教えてくれてもいいじゃん!ケチ!