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『あ、あの…?

どうしたんですかぁ…?』


少し離れた所から
腕を伸ばして
人差し指でチョンチョンと男の人の肩を叩いてみる



『も、もしも~し?』



雨で濡れた髪を払いながら何度声を掛けても

全然起きる様子がない



『どうしよ…』

ポツンと言った私の声が

ザアザアと降る雨の音に掻き消される