「暁ちゃん、一緒に委員会やろ!」


前の席から顔を出す可愛い氷室ちゃん。


「いいよ。…何の委員会?」


「学級委員だよ!…1度やって見たかったんだ~」


「学級委員?!…って、男女でやるんじゃないの?」


小中高同じ、男女の頭がいい人が推薦か、立候補で決まる…はず。


「ん?うち、男だよ?」


うん?今なんて言ったのかわからなかったな。わんもあぷりーず。


「先生!うちと暁ちゃんで学級委員やってもいいですか?」


って、もう立候補してるし…。


もう一度氷室ちゃんを見る。男なんて微塵も感じられない、可愛い顔立ち。これが世に言う“男の娘”なのだろう。……女性不信になりそう。


って、学級委員私たちで決まっちゃったよ。……やってけれるのかなぁ。私の心に一つの不安が芽生えた。



「さーちゃん!部活どーする?」


「さ、さーちゃん?」


氷室ちゃんが話しかけてきた。今は休み時間だ。


「…さっきあの人がさーちゃんって呼んでるのをみて、いいなーって」


「あの人って……」


あの人とはゆうくんのことだろう。でもあの人って言い方は酷くないか?


「おい氷室。あの人呼ばわりは酷いだろ」


そう言い現れたゆうくん。


「出たな結城。……もうさーちゃんはうちのもんだからな」


氷室ちゃんは私の後ろからハグした。って、どーゆー事になってるの?


「何言ってんだ。傍から見たら百合にしか見えないぞ」


「この見た目だからこそ、だよ。意識させるまでが楽しいと思うの。意識してからのさーちゃんと過ごす日々、絶対楽しいと思うんだ~」


横から覗き込む氷室ちゃんに鳥肌が立った。可愛く微笑む顔に、恐怖を感じた。


「お前、日に日に変態度が増してきてないか?さーちゃんの腕、鳥肌立ってるぞ」


「さーちゃん!部活どーする?」


「俺の話を聞け!」


氷室ちゃんが少し変態だということだけが突っかかりだが、この3人で過ごす時間。楽しいかもしれない。


────ずっと続けばいいのに。