(武久に会ったら絶対に文句言ってやろうと思っていたのにな……)
いざ本人を前にすると、なんだか言葉が上手く出てこなくて。
それどころか、まともにあいつと会話をすることも出来なくって、条件反射のように避けまくってしまう。
自分でも予想外の行動に走るもんだから困っちゃう……。
そんな私の煮え切らない態度に先に痺れを切らしたのは武久ではなく……わかっちだった。
「いい加減ふざけてないで、話くらい聞いてあげましょうね?」
ああ、なぜただの新聞紙がこうも殺傷能力の高い凶器に見えてしまうのだろう。
何やら見覚えのあるハリセンが突如わかっちのバッグから登場して一気に戦慄した。
「ふざけてないって……!!」
ハリセンを行使される前に、私は必死になって首を振りながら訴えた
なんで武久といい、わかっちといい、そんなに私の頭をパンパン叩くのが好きなの!?
「ふざけてないなら……じゃあ、何なのよ?ことと次第によっては、このハリセンが火を噴くわよ?」
「そ、それは……」
わかっちに問いただされると、途端に口の滑りが悪くなってしまう。



