「おっしゃあ!!」

私は雄叫びを上げ、人目をはばからずガッツポーズした。

あまりの唸り声に井上くんは軽く頬を引きつらせていたが、そんなのお構いなしだった。

だって!!

ついにGOサインが出たんですよ!!

これが喜ばずにいられるかってーの!!

許されるならこの場で万歳三唱でもしたいくらいだ。

「井上くん」

「はい、田辺さん」

「引き続き早宮さんのサポートをしてくれるかな?」

「承知しました」

小踊りで喜んでいる私とは対照的に田辺さんと井上くんは、冷静に今後のスケジュールを話し始めている。

っと、いけない。いけない。

いつまでも喜んでばかりはいられない。本番はこれからなのだ。

私は緩みに緩んだ頭のネジをきゅっと締め上げると、慌てて二人の会話に加わったのである。

今後の進め方とスケジュールをすべて確認し終えると、各自作業に取り掛かるべく、この場は早々に解散の運びとなった。

「どこから手をつけますか?」

「とりあえず、図面かな~」

ようやく方針が決まったとあって私と井上くんは意気揚々と会議室を出ようとしたところに、水を差したのは田辺さんだった。