「ふう……。疲れたー」
「結構、遊んだな」
目ぼしいアトラクションはすべて制覇し終えた私達はしばしの休憩とばかりにベンチに座り、疲れた喉を潤すのにはいささか健康的すぎるジュースで乾杯をした。
「今日は連れてきてくれてありがとね」
煮詰まっている私を見かねて、連れ出してくれた武久にお礼を言う。
おかげでこの上なく頭がスッキリしている。ちゃんとリフレッシュできたみたい。
「良いアイディアは浮かびそうか?」
武久は飲みかけのコーラをベンチにおいて、お猫様にしたのと同じように私の頭を撫で回した。
「どうかな?」
実は、私のアイディアセンサーにビビビと反応があったのだけれど。
武久には、な・い・しょ。
「結局、採用されるかどうかは田辺さん次第だしねー」
こう毎日のように罵倒されてばかりだと、ただでさえちっちゃい自信が更になくなっちゃいそう。
「壱は役に立たない人間をチームに入れるほどバカじゃねーよ。早宮が使える人間だって判断したんだろう?」
「ねえ、ひょっとして褒めてるつもり?」
「一応な」
もっと気の利いた褒め言葉が出てこないものなのかと文句のひとつも言ってやりたいが、今日は良しとしよう。
……なんたって今日は初デートなのだから。



