「武久!!あれ見て!!ちっちゃいのがいっぱいいる!!」
適度な休憩を挟みつつ順調にアトラクションを制覇していた私達の目の前に突如現れたのは、もっふもふの可愛い動物達だった。
遊園地の中央広場の一角に設けられたふれあい動物コーナーには、触れあっても大丈夫そうな小さめの動物たちが所狭しと動き回っていた。
「ねえ、ちょっと寄って行こうよ」
これなら武久でも大丈夫でしょ?
「好きにしろよ」
私の気まぐれに付き合わされるのは慣れっこなのか、特に反対はされない。
「わ~!!可愛いっ!!」
私は囲いの中でピョコピョコ動くうさぎやらハムスターを見るや否や黄色い悲鳴を上げたのだった。
どれもこれも毛並みがふわふわで、触りたくてうずうずする。
小学生の時は飼育係だったんだよねー。
実家では犬も飼ってたし。
上京して一人暮らしをペットなんて飼えなかったから寂しかったんだよね。
これまでの鬱憤を晴らすようにふぎゅうっと毛足の長い灰色のうさぎを抱っこし、そっと頬ずりする。



