佐藤が一層声を荒げて光輝に叫ぶ。
見た感じ、女子対男子みたい。
「はい!ざんね〜ん!俺好きな人、いっませ〜ん!」
何も知らない俺でも腹立つ言い方。
ってか、喧嘩とか珍しいな。
「とか言って、実は理那の事が好きなんでしょ?正直。」
三心が冷静に突っ込む。
「はぁ?だからいねぇっつてんだろ?!」
「はは〜んwだからか〜ww」
光輝の返しに佐藤がニヤニヤし出す。
「しつけぇぞ!いねぇっつてんだよ!」
......。
ライバル登場か。
ってか、なんで、こーなってんの?
何故か太一は女子側だし。
1人、机に座り怯えてる西野へ近づく。
「西野?」
「ひゃあ...!あっ、石森(いしもり)君。どうしたの?」
周りが五月蝿すぎて、俺らの声は揉み消される。
好都合。
「なんで、こーなってんの?」
「 えっと...平木君が理那ちゃんを放課後呼び出したの。それを聞いた一(にのまえ)君が急に怒り出したの。理那ちゃんがOKしたからかな」
「ふーん。ありがとう。」
やっぱり、光輝の大袈裟嫉妬。
まぁ、太一も太一だけど.....。
「もしかして、石森君も理那ちゃんの事好きなの?」
その質問をされた瞬間、騒いでいた全員がこっちを向き、マネキンの様に静止した。
なんで、聞こえてんだよ。
「な訳ねぇじゃん!理那はただの友達!」
その瞬間、心の奥から、矢を射たれた......気がした。
