12時40分。






昼食の時間。






理那は仲のいい女子と教室で、俺は太一に呼ばれ中庭で食べる。






売店で買ったカレーパン。






太一は焼飯弁当。






呼び出した本人が何も言わない。






俺は、太一の言葉を待つ。






無言が続く中、パンの袋のガサガサという音と、弁当をつつくスプーンのコツコツという音だけが聞こえる。






この中庭から、グラウンドが見える。






校舎を背に、黙々と食べる。






太一がこんなに黙るのは珍しい。






俺はカレーパンを食べ終わり、烏龍茶を1口飲む。






「ん?」






隣からぼそぼそっと太一が呟く。






全く聞き取れず、条件反射で聞き返す。






「恋愛相談してい?」






また、消え入りそうな声で俺に問いかける。






思いがけない問いかけに、俺は戸惑い返事が遅れる。






「えっ?...いいけど」