皆、静かに着席する。
この学校は、チャイムがないから、先生入室が授業開始の合図だ。
「えー、今日から、2学期だ。なので、委員と係を決める。えー、まずは、委員から。」
黒板に5つの委員を書く。
美化、体育、学級、放送、文化。
俺は、毎学期委員には入らず、係だけ入る。
委員に入ってしまうと、委員と係、どちらもやらないといけないからだ。
女子は大抵積極的なので、どっちにも入る。
だから、女子に任せる。
1委員会にクラスからは2人ずつ。
男女は関係無い。
中学.....下手すれば、幼馴染みばかりだから、男女間は、都会の高校と比べたら、無いに等しいと思う。
「はいっ!体育委員に入ります!!」
体を動かす事が好きな理那はもちろん体育委員。
中学から、一緒だ。
と言っても、小学校時代を知らないからだけど。
俺は広島市内の方から、親の転勤の為引っ越した。
そして、高校に上がると同時に一人暮らし。
もう結婚して20年になるってのに、新婚夫婦さながらのラブラブ両親。
そりゃ、もちろん...居づらい。
だから、一人暮らし。
家賃は払って貰ってるし、お小遣いもくれるから、生活には、不便なし。
もう、社会人の姉がいるけど、姉と歳が離れていて良かったとつくづく思う。
次々、委員会が決まり、係決めになった。
体育、教科、新聞、生物、給食。
「はーい!俺、新聞!!」
小学校と勘違いしそうな空間。
太一は、ずっと新聞だ。
また、立候補したのは、今日のを書くためだろう。
ここの新聞係は、どの学年もかなり横暴だ。
だから、知られたくない事は卒業するまで、隠し通さなきゃならない。
もし、新聞に掲載されても自己責任。
多分、山下先輩と西野はそれを知っての行動だから...皆に知らせたいのだろう。
「あっ!私も新聞!!」
勢いよく理那が挙手する。
委員も係も一緒の理那と太一。
好きな人の事だからか、しょーもない事でも気になってしまう。
ほんとに、変な感じ。