高校2年生17人。
俺は、この中から運命の人を見つけた。
「あっ、疾天(はやて)はよ〜!」
隣から、凛としつつ可愛らしい声が聞こえる。
俺は、リュックを下ろしながら
「ん、はよ。理那(りな)、今日は早いじゃん」
と返す。
彼女は、渡辺(わたなべ)理那。
俺が中2時から想ってる人だ。
肩まである髪。
ビー玉みたいにキラキラ、コロコロしている瞳。
健康です!!と言わんばかりの体型。
そして、その見た目とはギャップのあるサバサバした性格。
俺は、彼女の全てに惹かれていた。
「あっ、そうそう聞いて!昨日さ、黒豆がはっとうじに威嚇してたの!それを見て、お母さんとお腹抱えて笑ったの!」
こんな、会話をする事が、本当に平和だと思う。
「さすが、黒豆。アイドルだな。」
黒豆は、理那が飼っている黒い豆柴。
黒豆の話で盛り上がっていた。
ガラッと乱暴な音がして、扉が開いた。
振り返ると、坊主頭の平木太一(ひらぎたいち)だった。
理那の幼馴染みだ。
「っぶね〜!」
と、また乱暴にリュックを置く。
「太一ギリ〜wなんで、遅れたん?」
理那が笑いながら聞く。
