キンヨウビノヒミツ

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「おはようございまーす」


思い切り元気な声を心がけつつ、私は事務所のドアを開けた。


朝、8時10分、人はぼちぼち出てきている頃。


事務所を通り抜けつつ、休みの間に届いたファックスに視線を走らせると、やはり月曜日らしいボリュームになっていた。


女子更衣室では既に先輩の佐伯さんが着替えをしていた。


「絵奈ちゃんおはよ~」


「佐伯さぁぁああああんっ」


思わず飛びついてしまってから、ハッと気付く。


間違っても同僚である佐伯さんに言う訳にいかないじゃないか。


会社の飲み会の翌日に、同期の前橋君と朝を向かえてしまっただなんて。


「え、絵奈ちゃんどうしたの?」


「あ、いや、なんでもないデス。なんか凄く…」


きょとんとして私を見てくる佐伯さんの大きな瞳にキュンとなる。


子犬…いや子猫かな?


何はともあれ、癒し系っていうのは佐伯さんの為にある言葉だと思う。


可愛い、めちゃくちゃかわいい。


こんな可愛い奥さんが、毎日「お帰りなさい」って言ってくれるなんて、旦那さんがとても羨ましい。


…思考が親父だ、私。