キンヨウビノヒミツ

「嫌?」


「え、ええと…嫌なんじゃなくて、話に着いていけてなくて」


「そ、なら良かった。
新幹線、10時過ぎだから準備して」


「え?新幹線?」


「一緒にすむとこ、俺が一人で決めて良いなら来なくても良いけど」


あの、前橋様。


…さらに頭が付いていけません。



―――――



やっと一息つけたのは、ハヤブサに乗ってから。


駅のパン屋さんで買ったサンドイッチと野菜ジュースを走り出した新幹線の中で口にしたのが、遅い朝ごはん。


野菜ジュースを先に手にしたのは前橋君で。


『コンビニやスーパーの惣菜ばっかだと野菜足りないだろ』


そんなちょっと健康に気を使っている風なことを言われると、私だけカフェオレにするのは気が引けて、一緒に野菜ジュースにすることにした。


「ねぇ」


隣の前橋君に呼び掛けると、ん?と目顔で答えてくる。


「付き合ったのって…先週…からになるの?」


私は全く覚えてなくても、転勤に付いてこない?とか、一緒に暮らそうとか、話したってことは、先週から付き合ってたことになるんだよね?


「…さぁ?覚えてないんだろ?」


「…うん」