上司「じゃあ今から案内するからな。きちんとやるんだぞ。」

凜咲「はあ…」

気が重い。

足取りだって重い。


部屋が近づくたびに不安が募る。

怖い人だったらどうしよう。

上司「なんだ、不安か?大丈夫だ。きちんと安全な部屋だから。それに何かあったらいつだって駆けつけるぞ。」

凜咲「ありがとうございます。期限はいつまでですか?」

上司「ああ、説明してなかったな。ちょっと待て…資料は…。あ、あった。今日、4月1日から来年の4月1日までだな。24歳男性で、罪は殺人容疑かぁ…。名前は佐伯紘だ。」

凜咲「なるほど…。」

上司「おう。頑張ってくれよ。月村にはみんなが期待してるんだ。おお、ここだ。入るぞ」

ガチャ

扉があいた。

意を決して踏み込んだ。