「秀吉殿、飲みすぎですよ。」
「……そんなことない。」
「というか、珍しいですね。秀吉殿いつもそんなに飲まないのに。」
「今日は自分の配下と官兵衛しかおらんからなぁ。それに半兵衛が面倒見てくれるじゃろ?」
ふっと耳に秀吉殿の息があたる。それがくすぐったくて仕方がない。
甘えている秀吉殿が珍しいのか、皆じっとこちらを見てくる。
「あははっ!秀吉殿が酔っているところ初めて見ました!」
官兵衛が大きく笑うと皆口々に珍しいと言い出した。
「むっ!私だって酔うんじゃからな!」
ふんっとする秀吉殿は、私と言ってしまっていることに気づいていない。可愛らしくて、そんな秀吉殿が皆に見られてしまっているのが嫌だった。

