「ん…!や、やめろ…!」
涙目になりながら小さな声で訴えかけてくる。
そんな秀吉殿に口付けをすると、秀吉殿の声が漏れそうになる。
「ああいう気の強いところがいいんじゃねぇか。一度でいいから抱いてみたいね。」
「阿呆かお前。竹中殿が目ぇ光らせてるんだから無理だろ。」
己の名前が出て少し手が止まってしまったが、またもう一度指を動かす。
わざわざ音をたてるようにすると、秀吉殿が懸命に腕を抑えてきた。
「あの人塚原卜伝流の免許皆伝してるらしいよ。」
「うへぇ。軍師なのに、刀も強ぇのかよ。悩みなんか無さそうだよな。絶対手ぇ出せねぇじゃん。」
悩みなどたくさんあるのだけどな。
まぁ主に目の前で苛めている秀吉殿の事が大半ではあるが。

