その時、自分の目が開けるようになって

やっぱりそこには、泣いている父の姿があった。
「父さん。」

何日眠っていたのか。
カスカスになった声で、父を呼ぶと父が僕に気づいた。

「ありがとう。父さん。

僕、父さんの息子でよかった。」
僕がそう言うのを聞いて父さんは、目を見開いた。

「家に戻るよ。」
最後にそう伝えると父さんの目からまた涙が流れ出した。

「おかえり。優太。」
そう言って、泣きながら満面の笑みで笑った。