接客が終わり、少し休憩をもらってトイレへ行った


「…ヒック…」


個室から泣き声が聞こえる


コンコンッ


「ゆいだけど……どうかしたの?」


トイレで泣くのはよくある事


みんなはそれを慰め合い、また笑顔で仕事に行く


お金は貰えるけど、それ相応の代償は体や心に負担として表れる


ガチャッ…キィー………


「……奈々ちゃん。」

ドアが開くと、目を真っ赤にした奈々ちゃんがいた


この間入ったばかりの


「ゆいさん…」


「どうしたの?」


「わ…私……」


彼女は言葉を詰まらせると、それから黙り込んだ

私は彼女の後ろの便器に目がいった


その便器には、血の付いたトイレットペーパーが入っていた


生理とは違うような


私はすぐに察知した


「……お客さんに乱暴にされたの?」


恐らくお客さんが乱暴に扱い、彼女の下腹部は傷付いたのだろう


奈々ちゃんは震えていた

その痛みに耐えて接客をしていたんだと思う


私は忌まわしい過去が頭をよぎり、奈々ちゃんに乱暴したお客に腹わたが煮え繰り返そうになった




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