花の命 〜コスモスが咲く頃〜


真っ先に向かった先が屋上だった。


ガチャッ。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」


沙紀が空を見ている。


「ごめんね。陽空。
全部私のせいだよね。

私なんか要らないよね。
もう必要ないよね。
ほんとに、ほんとにごめんなさい...。」


そういい屋上の柵を乗り越えようとした。


「おい!!!
やめろ!!!!!」


沙紀の体をおさえつける。


沙紀の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。