「聖子先輩。」

中学に入学すると、たまに間違えられた。

「違うわ、私は景子よ?」

「すいません。」

「良いわよ、親でさえ間違えるのだから。」

「これ、聖子先輩にお渡しください、絶対ですよ!」

そう言って、誰か知らない少年が私に手紙を渡してきたこともある。

「はぁ。」

まったくだ。
どうせ、聖子お姉様に会うためにでしょう。
私は、手引き役なんだわ。