「聖子と景子は、本当にそっくりね。歳は離れているけれど、双子みたいだわ。」

親にも、親戚にもそう言われて育った。

「聖子お嬢様も、景子お嬢様も、そっくりですね。同じ格好をなさっていたら、私共は、間違えてしまいそうです。」

お手伝いの家政婦までもがそう言うのだから、そうなのだと、思っていた。

「どうして、聖子と景子はこんなに似ているのかしら…………それとも、姉妹は、こう言ったものなの?」

私には、聖子と言う、3つ上の姉がいた。
橘家には、聖子、私景子ともう1人、娘がいる。

更には聖子の上にも葵という姉がいたらしいが、私は知らない。