「そうね・・・・・・」


私はママに聖クンのことを話した。


ママは考え事をしてるみたい。

「一愛、聖クン好きなんでしょ?」

ママは私に聞いた。

「うん」

「なら自分の気持ちに素直になるべきよ。」

そんなこといったって・・・・・どうすればいいのか分からないんですけど・・・・・

「どうすればいいの?」


「あら。決まってるじゃない。婚約を先延ばししてもらうのよ」

ママはウインクしながら言った。
なんかママじゃない・・・・・

「でも会うことになってるんでしょ?」


「会うのは会うけど、曖昧にして話を進めないの。私が細工しておくから」

トントン。

「一愛様、奥様はいらっしゃいますか?」

「あら、どうしたの?杉本」

杉本さんってママの執事だ。

「失礼いたします。一愛様。奥様、出版社の方がいらしております」

「すぐに行くわ。対談室に招きさせて。」

「かしこまりました。」

杉本さんは出て行った。

「ごめんね一愛、仕事みたい」

ママは私に言った。

「ううん。ママこそありがとう」

ママは部屋を出て行った。