「ワァァァッ!」 口元にあったフルートを下げると同時に、大きな拍手が、耳に飛び込んでくる。 「柊さん、ありがとうございました!」 私は会釈をして、舞台袖へと向かった。 「・・・すごいですね。 また、腕があがっていました」 「そんなことないよ。」 星野がいってきた。私は、フルートをなんとなく、星野にあずけたくなかった。 「・・ご自分で、持っていらっしゃいますか?」 「うん」