「ロマなら私の部屋にいるわよ」

私はドアを開けながら言った。

「やはりそこでしたか。旦那様と奥様のお部屋にいってもいなかったもので」

執事が言う。

「あら、そうなの?そっか。それもそうね。ロマはいつもママの部屋にいるもの」

「ロマの散歩の時間なので・・・・・一愛様、ロマを預けてもらえますか?」

執事が私にたのんだ。

「散歩なの?それなら私が行くわ」

私は久しぶりにロマの散歩に行きたくなった。

「一愛様っ!?そんなことしていましたら旦那様に怒られますよ!!」

執事が私を止めた。

「じゃあパパに了承を取りに行くわ。あなたも一緒にきてちょうだい。」

いくらロマ担当の執事でも、柊家のものにはさからえない。

私はロマを抱えて、執事と一緒にパパの部屋に行った。

コンコン。私はパパの書斎のドアをノックした。


「だれだい?」

パパがドアごしに聞く。

「私です。一愛、です」