コンコンドアがノックされた。
「一愛様、お茶とお菓子をもってまいりました」
星野がドアごしに言ってくる。
「どうぞ。」
私は言った。星野はティーカップとポット、お菓子がのった皿を
お盆にのせて私のテーブルの上においた。
「いつもありがとう」
私が言ったら、星野は
「一愛様、こちらこそありがとうございます」
と笑っていった。
「失礼いたします」
星野は出て行った。
聖―
ガチャッ俺はだれもいない家に入った。
文化祭の実行委員も疲れる。
自分から言ったんだけど。
ケータイを見るとメールが1件届いていた。
「理沙かよ・・・・・・」
俺は声に出してしまった。
理沙とは一応付き合っている。告白されて付き合いはじめたけど
理沙の一方的な態度はむかむかしてくる。
俺はいま、理沙とは別に好きな人がいる。
その人と付き合える確率は100%でいったら10%分しかないな。
その10%の奇跡を俺は信じている。
実行委員になったのもそのためだったし。
がんばろう
俺の好きな人の名前は―
柊一愛


