家から歩いて10分足らずの場所に私の通う私立校がある。


この私立校は校則が緩く、髪の毛を染めたりする人も何人かいるくらい。


だから私も必要最低限のメイクをしてから学校へ向かう。


来る途中に何人かの視線を感じたりするくらい整った容姿を持ち、同じ高校に通う生徒なら


「桃香さんだ…」


「桃香さんってこの前の洋菓子コンテストで優勝したって…」


など、反応は様々


先生達にも「相川さんはとても優秀で誇りに思うよ」と色々将来期待されていた。


そんな私の御菓子を頑なに受け取らない奴の名前は


御坂悠人


家は普通の家庭で成績も少し良いくらいのはっきりいって凡人なのに、凄く目が鋭くて私の透き通った青色より濃い青色の瞳を見たときは息が止まった。


なんて美しいんだろうって


こんな人がいたなんて知らなかったから。


普段はその目を漆黒の髪で隠してたから分からなかった。


この人に私の御菓子を美味しいと言ってもらえたら、私はもっと御菓子作りが上手になると思った。


なのに、その御菓子を食べてさえくれない。


でも、諦めたら本当にお仕舞いになりそうだから。


絶対…食べてもらうんだ。